先日12月29日のWall Street Journalに出ていた記事。
Alexa, Hypnotize Me – WSJ by Betsy Morris
いい記事だったので、長いですが全部「意訳」してみました。意図がわかりやすいように言葉を加えているところもあります。
新聞でのオリジナル記事は、
「Can Hypnosis Cure The Pandemic Blues?」
「催眠はパンデミックの憂鬱を救えるか?」
催眠は、現在バーチャルになり、医師、研究者、起業家などから支持されるようになった。しかし、多くの患者は懐疑的なまま。
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ケリー・カトラーは、昨年スタンフォード大学で行われた新しいデジタル催眠プログラム、Reveri Health の1か月にわたるテストプログラムに参加したとき非常に懐疑的でした。
彼女は禁煙が必要で、医者の勧めでプログラムを試してみたのです。
25年間喫煙していた44歳のカトラーさんは、ナンセンスで、決してうまくいかないと最初思っていました。初回の催眠セッションは対面でしたが、あまりに不安になったのでその後タバコを吸わなければならないほどでした。
Reveri Healthは、新世代の催眠プログラムとアプリの1つで、自宅で簡単にアクセスでき、自宅で1ヶ月間の自己催眠をしました。 2回のアプリセッションの後、もはや喫煙する気がなくなったことを発見して彼女はショックを受けました。「タバコを吸いたいという気持ちが本当になくなったのです」、「なぜなのか説明できません、何が起こったのかわかりません。」
それ以来彼女はタバコを吸っていません 「催眠はクレイジーなアホの宗教みたいなものかもしれない、もちろんいい意味ですけど」と彼女は言っています。
催眠は医療分野ではもはやクレイジーとは見なされていないと医師たちは言いますが、カトラーさんをはじめ多くの人がいまだに懐疑的です。医学界で催眠療法、ヒプノセラピーを施されることますます受け入れられており、そして過去2年間の最新の研究により、脳において催眠がなぜどのように機能し、不安、痛み、恐怖症を緩和するかについてのリサーチが加速しました。
またシリコンバレーの起業家や投資家が注目し始め、最近までは傍流とみなされていた瞑想と同じように催眠を普及させることを目的とした新しいアプリが作られています。
催眠は、オピオイドのような薬剤の安全な代替品として、またパンデミックによって引き起こされるストレスや不安と戦うためのツールになることができる、特に録音テープやZoomで提供でき、さらに有用であると医師や研究者は述べています。
しかし、まさに多くの人々がストレス解消を必要としている今でも、まだ催眠は試すのをはばかられるような強い汚名をきせられています。
「人々は催眠はばかげているか危険だと思っています」とスタンフォード大学医学部の精神科医兼教授であり、Reveri Healthの共同創設者のデビッド・シュピーゲル博士は言います。。 「“催眠術”だからと、人々は真剣に受け止めません。」
Reveri Healthは8月にローンチされ、無料でAmazon Alexaからアクセスでき、約2,200人のユーザーがいます。シュピーゲル博士によると、。Mindset Health、ヒプノセラピーのスタートアップは、1年前に110万ドルのベンチャー資金を受け取り、同社の2つの催眠アプリ、MindsetとNervaには合計で約6,200人の有料ユーザーがいると創設者兼CEOのアレックス・ナオウミディスは言います。
催眠は、通常は言葉による誘導や想像力を使い、人をリラックスさせ、非常に集中した状態にし、暗示の影響を受けやすくするテクニックです。
今日では、イライラや不安、痛みや恐怖症や睡眠障害の症状、そして喫煙や過食などの習慣を止めるために利用されています。
瞑想と同じように、催眠は主に聴覚を利用した療法でありZoomで問題なく行えると、神経科学者兼カリフォルニア州メンロ・パークにあるマインド・ウェーブ・インスティテュートCEOのシンシア・ショールズは述べています。博士は、Zoomのほうが逆に上手くいくようだ、家の環境のほうが落ち着くし、集中をそぐものが少ないからではないか、と言っています。
Reveri Healthは、Alexaから入ってくるデジタル音を自然な言語処理を使用して平文に直し、事前に準備された指示または応答に一致させて応答します。
プログラムは「今どこでストレスを感じていますか?」のような質問をし、返ってきた解答に対して呼吸法やとイメージ法(「不安の波の上をサーフィンしているところを想像してください」など)のエクササイズをするよう呼びかけます。
近年、新しい研究により、催眠がどのように機能するのかついての理解が深まっています。
「大脳皮質ジャーナル」は4年前、催眠状態においては、批判的な判断と分析に関わる脳の部位の活動が低下するため、提案に対してよりオープンになる脳の領域(潜在意識)にセラピストが到達できることを示唆した脳波画像を掲載しました。
または、カリフォルニアのヒプノセラピストでコーチのリンダ・シヴァリーが説明しているように、「催眠は意識的な心(顕在意識)をひっこませます。」そうすれば、迅速に比較的痛みを伴わず効果的に変化があらわれます。
今年の初めに、「大脳皮質ジャーナル」で共著したシュピーゲル博士の研究では、催眠は、脳内の神経化学物質を移動させ自己鎮静することを可能にし、それは「人々が体内の薬局を利用する」と例えています。
催眠はすべての人に効果があるわけではありません。シュピーゲル博士によると、人口の約3分の1は催眠にかかりにくく、練習してもうまくいきませんし、練習法も開発されていません。-
そして、最近催眠に関する研究が急増していますが、何年もの間研究されていない領域が多く、そのため専門家が使うのを避けていたと研究者は言っています。
オハイオ州立大学の心理学教授であるジョセフ・グリーンは、痛みのコントロールにおける催眠の使用には経験的に支持しても、それが他の症状の治療にも役立つかとなると、催眠は頻繁に他の治療と併用されるため、催眠の特定の効果を分離するのは研究者にとっては難しいことだと言っています。
しかし、催眠の広範囲での利用に対する最大の障害、“催眠ショー”の記憶により、その汚名は残されたままです。
催眠“術“は、治療方法ではなく驚きのエンターテイメントとしてまだ多くの方面で知られています。 「振り子の時計をゆらゆらさせると、あなたは深く深―く眠くなりニワトリのように振る舞います、をご存知でしょう?」とカリフォルニア州サンタクルーズのヒプノセラピスト、マーク・ワイズは言います。彼は個々のアスリートや大学のチームなどと協力してきましたが、まだ多くの人々は固定観念や偏見から催眠を試そうと思わないと言います。
催眠を経験した人はしかし、それは特にパンデミックの間、非常に役立つことができると言います。
ショールズ博士は、Zoomを介した催眠で、行き詰まり、燃え尽き、そしてパンデミックによる強迫行動により精神的に脆くなっている患者に安堵をもたらしています。「私たちは不安のため頻繁にワインを飲み、スナックを食べる傾向にあります」。催眠を他の治療技術と組み合わせているショールズ博士は言います。「ストレスからNetflixにハマり過ぎたりしています。」
自称「イライラから食べる人」のデビ・コリーを、パンデミックがイリノイ州メリービルの自宅に強制隔離すると、体重が10ポンド増えました。
彼女は通常のダイエットよりも早く結果が見える何かを試したかったので、懐疑的であったにもかかわらずヒプノセラピーを試すことにしました。「私は常に伝統医学を選んでいましたが、これは違います」と、金融サービス事業のオーナーである58歳のコリーさんは言います。
しかし、10月からZoomヒプノセラピーを始めて3キロ以上やせて、過食をやめました。 「私には科学はわかりません。」と彼女は言います。 「でも驚きの連続です。革新的です。」